知っておきたい!「総合課税」と「分離課税」の違いとは?


知っておきたい!「総合課税」と「分離課税」の違いとは?

税金の話は難しく感じるかもしれませんが、知っておくと家計や投資に役立つこともたくさんあります。今回は「総合課税」と「分離課税」という、所得税の計算方法に関する2つの仕組みについて、わかりやすくご紹介します。


◆ 総合課税とは?

総合課税とは、いくつかの種類の所得を合計し、まとめて税率をかけて税金を計算する方法です。

たとえば、会社の給料(給与所得)に加えて副業の収入(事業所得)や不動産の賃料収入(不動産所得)がある場合、それらをすべて合計して、その合計金額に応じた税率(累進課税)で課税されます。

▽ 総合課税に該当する主な所得

  • 給与所得(サラリーマンの給料など)
  • 事業所得(自営業など)
  • 不動産所得(賃貸収入など)
  • 配当所得(上場株式以外の配当など)
  • 一時所得(懸賞金、保険金など)

▽ メリットと注意点

  • 所得が低いほど税率が低く、負担が軽くなる仕組み(累進課税)
  • ただし、所得が増えると税率が高くなり、全体の税額も大きくなる

◆ 分離課税とは?

分離課税は、その名のとおり、他の所得と分けて「別々に」税金を計算する方法です。

たとえば、株の売却益やFXの利益、土地の売却益などは、他の所得とは切り離して、一定の税率で課税されます。

▽ 分離課税に該当する主な所得

  • 株式の譲渡益
  • 上場株式の配当
  • 不動産の売却益(譲渡所得)
  • 退職所得

▽ 分離課税には2種類ある

  • 申告分離課税:確定申告が必要。利益を自分で申告し、決まった税率(通常は約20%)で課税。
  • 源泉分離課税:銀行の利子など、あらかじめ税金が差し引かれていて、確定申告が不要なもの。

▽ メリットと注意点

  • 他の所得と合算されないため、高額所得者でも一定の税率で済む
  • 他の所得と損益通算ができない場合もある

◆ なぜ2つの課税方法があるの?

それぞれの所得には性質の違いがあるため、それに応じた課税方式が採用されています。たとえば、株の売買は一時的な収入になりがちで、しかも変動が激しいため、一定の税率で安定して課税する「分離課税」が適しています。

一方で、生活の基盤となる給与や事業の所得は、所得額に応じて税負担を変える「総合課税」の方が公平と考えられています。


◆ まとめ:自分の所得がどちらに当たるかを把握しよう

「総合課税」か「分離課税」かは、自分の所得の種類によって決まります。副業を始めたり、投資を行ったりする際には、どの課税方法になるかを理解しておくことが大切です。

税金の基本を知ることで、より賢くお金を管理できるようになります。確定申告の時期やライフプランの見直しの際に、ぜひ役立ててください。