「ゆりかごから墓場まで」— 人生の各ステージのファイナンシャル・プランニング【連載17】

結婚資金の準備と費用相場

人生の大きな節目のひとつである「結婚」。夢のあるイベントである一方で、現実としてはまとまった費用が必要になるため、しっかりとした資金準備が欠かせません。

「いくらくらい必要?」「どうやって準備すればいいの?」という疑問を解消しながら、無理のない結婚資金の計画づくりを一緒に考えていきましょう。


◆ 結婚にかかる主な費用の内訳と相場

結婚費用は大きく分けて以下の4つに分類されます。ここでは一般的な全国平均をもとに目安を示します(出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2023年版)。

項目平均費用内容
結婚式・披露宴約290万円会場使用料、料理、衣装、装花、演出など
結納・顔合わせ約19万円両家の食事会など
指輪(婚約+結婚)約60万円婚約指輪:30万、結婚指輪ペア:30万
新婚旅行約55万円国内外問わず(ハネムーン含む)

合計:約420万〜450万円

※規模や地域、会場のグレードによって大きく変動します。近年は「少人数婚」「フォト婚」「挙式なし」など多様化が進んでいます。


◆ 「ご祝儀」でカバーできる金額の目安

結婚式の費用は高額ですが、出席者からのご祝儀である程度の費用は相殺されることが一般的です。

  • ご祝儀平均:1人あたり約3万円
  • 招待人数60名の場合:約180万円程度を回収可能

▶ したがって、実質的な自己負担額は200〜250万円前後になるケースが多いと言われています。


◆ 結婚資金の準備は「1〜2年前」からが理想

以下は、一般的な準備スケジュールの目安です。

時期内容必要資金の例
1〜2年前貯金開始、概算費用の把握月3〜5万円を積立
半年前会場決定、指輪購入頭金・申込金10万〜50万円
1〜3ヶ月前最終支払い、衣装・演出決定式場に最終金を一括支払い(式の1週間前など)

結婚式の多くは「前払い制」です。費用の支払いタイミングとご祝儀の受け取りがずれるため、一時的な立替えが必要になることも考慮しましょう。


◆ 貯金の目標額と方法

理想は、パートナーと2人で150〜200万円ずつを貯めることです。1年で200万円を貯めたい場合、毎月約16万円の積立が必要となるため、計画的に準備を始めましょう。

▸ おすすめの貯金方法:

  • ブライダル専用口座を作る(使い道を明確に)
  • 先取り貯金+ボーナス全額貯蓄で一気に加速
  • 生活費とは完全に分けて管理

◆ 節約・工夫のポイント

  • 「持ち込み可能な会場」を選ぶことで費用を大幅削減
  • 写真だけのフォトウェディング+食事会スタイルで、総額100万円以下も可能
  • 結婚式場の「仮予約キャンペーン」「直前割」などをチェック

◆ まとめ:無理のない結婚資金計画が、幸せなスタートにつながる

結婚式は、費用も労力もかかる一大イベントです。だからこそ、「理想」と「現実」のバランスを見極めながら、自分たちに合ったスタイルを選ぶことが大切です。大切なのは、華やかさよりも、その後の生活までを見据えた堅実なプランニング。結婚後の生活資金や住宅購入、出産育児に備えるためにも、堅実な資金管理の第一歩をここから始めましょう。