「金価格の今後は?高騰の理由と日本の都市鉱山の可能性を徹底解説!」

「金価格の今後は?高騰の理由と日本の都市鉱山の可能性を徹底解説!」

金(ゴールド)は、古来より「安全資産」としての地位を確立してきました。2020年代に入り、世界経済の不確実性が増す中で金の価格は大きく上昇し、投資家の注目を集めています。本記事では、金の価格が高騰する要因やこれまでの推移、日本の「都市鉱山」の可能性、そして今後の見通しについて詳しく解説します。


金の価格高騰の要因

金の価格が上昇する背景には、以下のような要因が影響を与えています。

1. インフレと金利

金は、インフレヘッジ(インフレ対策)としての役割を持っています。インフレが進むと、通貨の価値が下がり、実物資産である金の価値が相対的に上昇します。
また、金は利息を生まない資産であるため、金利が低下すると相対的に魅力が増し、投資資金が流入します。近年、各国の中央銀行が低金利政策を続ける中、金価格は上昇傾向にあります。

2. 地政学リスクの高まり

戦争や政治的不安定が高まると、安全資産としての金に資金が集まります。特に、ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢の悪化、中国と台湾をめぐる緊張などが金の価格を押し上げる要因となっています。

3. 中央銀行の金買い増し

世界各国の中央銀行が外貨準備の一環として金を積極的に買い増していることも、価格上昇の要因です。特に、新興国の中央銀行(中国、インド、ロシアなど)が金準備を増やしており、市場の需給バランスに影響を与えています。

4. ドルの動向

金価格はドル建てで取引されるため、米ドルの動きに左右されます。一般的にドルが下落すると金価格は上昇し、逆にドルが強くなると金価格は下落する傾向があります。近年、米国の財政赤字拡大や金融政策の影響でドル安が進む局面があり、金の価格上昇に寄与しました。


日本の「都市鉱山」と金の可能性

日本には「都市鉱山」と呼ばれる資源が豊富に存在しています。都市鉱山とは、使用済みの電子機器や工業製品などに含まれる貴金属をリサイクルし、新たな資源として活用する考え方です。

1. 日本の電子機器に眠る金

日本は、世界でも有数の電子機器生産・消費国であり、膨大な数のスマートフォン、パソコン、家電製品が使用・廃棄されています。これらの電子機器には、金や銀、プラチナなどの貴金属が含まれており、適切に回収・精錬することで再利用が可能です。

環境省の推計によると、日本の都市鉱山には 6,800トン以上の金 が眠っているとされています。これは、世界の金埋蔵量の約16%に相当し、日本が「隠れた資源大国」であることを示しています。

2. 都市鉱山活用のメリット

  • 資源の安定供給:金の採掘は限られた地域で行われていますが、都市鉱山を活用すれば、日本国内で資源を確保できる可能性があります。
  • 環境負荷の低減:新たな鉱山を開発するよりも、廃棄物から金を回収する方が環境負荷が低く、持続可能な資源利用につながります。
  • 経済的利益:リサイクル産業の活性化により、新たな雇用やビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

3. 東京五輪で話題になった「リサイクル金メダル」

2016年から始まった「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」では、日本全国から不要になった携帯電話や小型家電を回収し、東京オリンピック・パラリンピックの金・銀・銅メダルの素材として活用しました。この取り組みは、日本の都市鉱山資源の可能性を世界に示す成功例となりました。


金の価格推移と今後の見通し

過去20年の金価格の推移

過去20年間で金の価格は大きく変動してきました。

  • 2000年代初頭(約300ドル/オンス): 経済成長に伴い徐々に上昇。
  • 2008年~2011年(約1,900ドル/オンス): リーマン・ショック後、金融不安の高まりで急騰。
  • 2013年~2018年(約1,100~1,400ドル/オンス): 一時的に調整局面に入り、安定した推移。
  • 2020年(約2,070ドル/オンス): 新型コロナウイルスの影響で世界経済が混乱し、史上最高値を記録。
  • 2022年~現在(1,800~2,100ドル/オンス): インフレ懸念や地政学リスクの高まりで高値圏を維持。

今後の見通し

  • インフレが続く限り金は強い: 米国の金融政策次第では、金価格がさらに上昇する可能性。
  • デジタル資産との競争: 仮想通貨と金の住み分けが進むか注目。
  • 中央銀行の買い増し: 中国・インドなどの動向がカギ。
  • 都市鉱山の活用: 日本国内の金供給源として期待される。

まとめ

金は、インフレリスクや金融不安、地政学的リスクに対する「安全資産」としての魅力を持ち、今後も重要な資産クラスであり続けるでしょう。さらに、日本の「都市鉱山」は、金の供給源としての可能性を秘めており、持続可能な資源利用に貢献できると考えられます。

投資を検討する際は、リスクとリターンを十分に考慮しながら、適切なタイミングでポートフォリオに組み入れることが重要です。