離婚後に後悔しない!財産分与のルールと公平な分配方法

離婚後に後悔しない!財産分与のルールと公平な分配方法
目次
離婚を考えたとき、多くの人が気にするのが「財産分与」です。結婚生活の中で築いた財産をどのように分けるのか、何が対象となるのか、そして公平な分配方法とは?
この記事では、財産分与の基本から具体的な分け方、注意点などをFPが詳しく解説します。適切な知識を身につけて、後悔のない離婚手続きを進めましょう。
1. 財産分与とは?その目的と基本ルール
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚時に公平に分配する制度です。主な目的は以下の3つです。
- 清算的財産分与:夫婦が共同で築いた財産を公平に分ける
- 扶養的財産分与:離婚後の生活を支えるために一方が他方に財産を分ける
- 慰謝料的財産分与:浮気やDVなど一方に非がある場合、慰謝料として財産を分ける
特に一般的なのは「清算的財産分与」で、婚姻期間中に築いた財産を原則として2分の1ずつ分けるのが基本ルールです。
2. 財産分与の対象となる財産とは?
すべての財産が分与の対象となるわけではありません。以下の表で財産分与の対象になるもの・ならないものを整理してみましょう。
✔ 財産分与の対象となる財産(婚姻中に築いた財産)
✅ 夫婦の収入で購入した不動産(家・マンション)
✅ 夫婦の共同貯金や預金口座
✅ 夫婦の収入で購入した車・家具・家電
✅ 退職金(婚姻期間中に発生した部分)
✅ 株式・投資信託(婚姻期間中に購入したもの)
❌ 財産分与の対象にならない財産(個人の財産)
❌ 婚姻前に持っていた財産(例:結婚前の貯金、不動産)
❌ 相続・贈与で得た財産(親からの相続財産など)
❌ 個人の生命保険の解約返戻金(契約者による)
婚姻前の財産や相続・贈与財産は「特有財産」とされ、分与の対象外となるため注意が必要です。
3. 財産の公平な分け方と具体例
(1) 不動産の分け方
不動産(家・マンション)は大きな資産となるため、分け方を慎重に考える必要があります。代表的な方法は以下の3つです。
- 売却して現金を分ける(最も公平)
- 一方が住み続け、もう一方に代償金を支払う
- 共有名義のままにする(後の売却時に分ける)
(2) 退職金の分け方
退職金は、婚姻期間中に積み立てられた部分のみが分与対象となります。
- 会社員・公務員の場合:離婚時に受け取る予定の退職金を計算し、対象額を分配
- すでに受け取っている場合:共有財産として2分の1ずつ分ける
(3) 預貯金・現金の分け方
夫婦の共有名義口座や個人名義でも婚姻期間中の貯金は、基本的に半分ずつに分けます。ただし、個人的に使った分(ギャンブル・借金返済など)がある場合は、その分を考慮する必要があります。
4. 財産分与の注意点とトラブル回避策
① 財産隠しに注意!適正な財産調査を
財産分与では、一方が財産を隠すケースがあります。
- 相手の通帳や財産を事前に確認する
- 弁護士や調査機関に依頼する
財産隠しが発覚した場合、裁判所に申し立てることで適正な分与を求めることができます。
② 住宅ローンが残っている場合の対応
住宅ローンが残っている場合、次の選択肢を検討しましょう。
- 売却してローンを完済する(最もシンプル)
- 一方が住み続け、ローンを引き継ぐ
- 共有名義のままにする(ただし後のトラブルに注意)
ローン名義や支払い能力を考慮し、慎重に決めることが重要です。
③ 離婚後の財産分与請求は2年以内に!
財産分与は、離婚成立から2年以内に請求しなければ時効となり、請求できなくなります。ただし2024年の民法改正で5年に伸長されました。(改正民法768条の2)公布から年以内に施行される予定です。
5. 財産分与をスムーズに進めるために
財産分与は、感情的になりやすくトラブルになりがちです。スムーズに進めるために、以下の方法を活用しましょう。
✅ 財産リストを作成し、共有財産と特有財産を整理する
✅ 話し合いが難しい場合は、調停や弁護士を活用する
✅ 離婚前に財産分与の合意書を作成する(公正証書が望ましい)
まとめ:財産分与を正しく理解し、公平に分けることが大切!
離婚時の財産分与は、夫婦が共同で築いた財産を公平に分けるための重要な手続きです。対象となる財産・分与の方法・トラブル回避策をしっかり理解し、後悔のない決断をしましょう。
もし財産分与で不安がある場合は、専門家(弁護士・司法書士)に相談したり、家庭裁判所の調停を利用することでスムーズに進めることができます。